中3:関数y=ax2のグラフ<関数y=ax2>
中3:関数y=ax2のグラフ
1 本授業について
中学校3年「関数y=ax2のグラフ」について授業を行った。関数y=ax2のグラフをICTを用いてかき、対話を通してグラフの特徴をまとめる実践である。生徒は、ICT(GeoGebra)を用いて関数y=ax2のグラフをaの値を変えてたくさんかき、グラフの特徴を調べる活動に取り組んだ。そして、グラフの特徴をグループでの対話を通してまとめて、全体で共有した。生徒一人ひとりが、ICTを用いてグラフをかくことで、短時間でもグラフを正確かつより多くかけるようになり、関数y=ax2のグラフの特徴を調べ、対話に参加できるような手立てとした。また、導入で既習内容の比例、反比例、一次関数の特徴を振り返ることで、関数y=ax2のグラフの特徴を調べるための視点をもったり、y=x2のグラフだけ先に全体で特徴を調べて、aの値を変えたグラフとの共通点や相違点を見つけたりすることで、課題に取り組みやすくするようにもした。
2 比例、反比例、一次関数の特徴の振り返り
本授業の導入で、既習の比例、反比例、一次関数のグラフの特徴を振り返った。教師が「比例、反比例、一次関数のグラフはどんなグラフでしたか?」と問うと、「比例と一次関数は直線」「反比例は曲線」「比例と一次関数は原点を通る」「反比例は原点を通らない」「右上がり」「右下がり」「反比例のグラフは右上と左下」など好き好きに発表していき、それぞれの関数のグラフの特徴を一つひとつ確認した。本授業では、関数y=ax2のグラフは、「直線か曲線か」「原点を通るか通らないか」「グラフはどこに表れるか」などの視点を基に、関数y=ax2のグラフの特徴を調べていくことを全体で共有した。
3 関数y=x2のグラフはどのようになるのか
関数y=x2のグラフがどのようなグラフになるかについて、グラフ用紙に点を打ち、グラフの特徴を調べた。
教師:関数y=x2のグラフはどのようになりますか?
C1:U字の曲線になる。
C2:U字というかグリコみたいな形してる。
教師:曲線になる?他にわかることはありますか?
C3:y軸に関して線対称。
C1:ずっと上に続いている。原点を通る。
C4:比例はしていない。
C5:xの絶対値が等しいとき、同じyの値をとる。
教師と生徒でこのようなやりとりをし、関数y=x2についての特徴を板書した。ここで、次の問いかけをした。
教師:今いろいろ言ってくれたけど、aの値が変わってもグラフは同じ特徴がありますか?
ここで、aの値を変えたときにグラフがどのようになるかを調べ、関数y=ax2のグラフの特徴をまとめていく活動を設定した。以下の視点をもとに、関数y=ax2のグラフの特徴はどうなるのかを調べた。
・グラフは直線か?曲線か?
・グラフはどこにある?
・原点を通る?
・対称性は?
4 関数y=ax2のグラフはどのようになるのか
関数y=ax2のグラフをかくにあたっては、GeoGebraを使用して、関数y=2x2、y=-x2などaの値を変えたグラフを個人でたくさんかく活動を取り入れた。少数の例では、グラフの特徴に気付けない子どもたちでも、自分の好きなようにたくさんグラフをかくことで、その特徴に気づくための手立てである。
まず、GeoGebraの使い方を確認するために、関数y=x2だけ全体で一緒にICTの操作を行ってかいた。その他のグラフに関しては、生徒が任意でaの値を決めてグラフをかいた。GeoGebraを使ってグラフをかくことは、ほとんどの生徒ができていた。数分間で10本程度のグラフをかくこと生徒もおり、短時間でたくさんのグラフをかくことができた。比例定数を10000するとグラフが直線に近づくと発見したり、y=にするとグラフの形はVになると発見したりする様子が見られ、様々な形のグラフに触れることで、おもしろさを感じることができていた。一方で、比例定数を自然数のグラフのみかく生徒も見受けられたので、小数や分数、負の数にも目を向ける手立ても必要となった。



関数y=ax2のグラフを見て個人で気付いたことを、y=x2のグラフとの共通点や相違点に触れながら、グループで対話をしながら、ホワイトボードにまとめた。対話をしながら、グラフを新たにかき特徴を調べたり、自分では気付いていなかった特徴に気付いたりする様子が見られた。各グループのまとめた内容は次のとおりである。
【グループA】
・全部原点を通る。
・曲線。
・比例定数が大きいほど、放物線の幅が大きくなる。
・ずっと対称。
・比例定数が正だと上に開くグラフ。比例定数が負だと下に開くグラフ。比例定数が0だと直線になる。
【グループB】
・必ず原点を通る。
・比例定数が小さいほど、放物線の幅がせまくなる。比例定数が大きいとy軸に近づく。
【グループC】
・aの値が小さくなるほど、放物線の間が大きくなる。
・aの値がマイナスになると、グラフが反対になる。
【グループD】
・になると、グラフの形はVになる。
・比例定数が大きいほど、細くなる。
・-のとき、+のときと比べて上下逆。
【グループE】
・aが大きくなると急になる。
・原点を通る。
【グループF】
・比例定数が大きくなるほど、直線に近くなる。
・比例定数がマイナスになると、グラフが逆になる。
グループで記入したホワイトボードを黒板に貼り、全体で比較した。最初に問いかけた4つの質問を基に、関数y=ax2のグラフは次の通りであることを確認した。
・曲線(放物線)
・a>0のときグラフは上に開き、a<0のときグラフは下に開く。
・原点を通る。
・y軸に関して線対称。
ここで、各グループの意見の相違点についても全体で考えた。
教師:グループによって、比例定数が大きくなるほど、幅が大きくなるとかいていたり、急になるとかい ていたりしてるけど、どう思う?
C4:あ、比例定数が大きいほど、幅が小さくなってる。
C1:?
教師:もう一度、GeoGbraでグラフをかいて確かめてみよう。y=x2、
y=2x2、y=3x2のグラフをかいてみて。
C1:(GeoGebraでグラフをかきながら、)あ、比例定数が大きいほど、幅がせまくなる。
教師:なった?本当に、そうなる?
C2:なる。比例定数が負の数のときは、反対になる。
C1:(GeoGebraでグラフをかきながら、)比例定数が負の数の時
は、比例定数が小さいほど、幅が小さくなる。
教師:そういうことだね。では、まとめるけど、何ってまとめた
ら良いかな?
C4:aの絶対値が大きいほど、グラフは急になる。
グループの相違点を単に言葉で共有するだけでなく、すべての子どもが再度自ら手を動かしてGeoGebraでグラフをいくつも示すことで、グラフの特徴についての理解を深めることができた。
5 ICTと対話を取り入れた指導
ICTを用いることで、効率よくたくさんのグラフをかくことができるので、特徴を見つける活動には適しているように感じた。生徒は、ICTを用いてグラフをかくことで、グラフを夢中になってかいたり、様々なグラフの形を見ておもしろさを感じたりしていた。さらに、対話を取り入れることにより、自分だけでは気付けなかった新しい発見ができたり、理解が不十分だった点を改めて見直したりして、理解を深めることができるように感じた。次時以降のグラフをかく指導にあたっても、生徒自身が、本時で学習したグラフの対称性などの性質を活用してグラフをかいていた。ICTと対話を取り入れ、グラフを容易に書く中で、個々の生徒に適した理解を深めることができたのではないかと考える。

